エレクトロニカシーンの巨匠 Aphex Twin(エイフェックス・ツイン)と、エイフェックス・ツインの「T69 Collapse」のMVなどで知られる映像作家/クリエイター Weirdcoreとのコラボ作品『/afx\/weirdcore\<blockscanner>』が、NFTオークションに出品され、72イーサ(売買時約127,000ドル)約1380万円で落札された。
出品されたのはNFTを取引する仮想通貨マーケットプレイスの Foundation 。出品された作品はエイフェックス・ツインことリチャード・D・ジェイムスらしき顔が不気味な音と共に見え隠れするというもので、 Foundation にて視聴が可能となっている。
NFTオークションは、3月11日にBeeple(ビープル)と呼ばれるアーティストのデジタルアート作品が約6935万ドル(約75億円)で落札されたり、実業家のイーロン・マスクが作曲した楽曲が1億円で落札されたりと話題を呼んでいる。
※NFTが分からない人は本記事の下で説明をしているので参考ください
NFTとは
今年2021年に入ってからアートとビジネス界隈で急速に盛り上りを見せるNFT(Non-fungible token)とは、ブロックチェーン上に発行されるトークン(仮想通貨)の一種で、様々なメタデータを付加させることができることが特徴だ。
ブロックチェーンは改ざんや不正ができない技術として有名だが、この特性に「製作者」「制作日時」「識別番号」「所有者」などの様々なメタデータを加えることにより、本来コピーし放題だったデジタルデータのオリジナル証明ができるようになった。
技術面でさらに細かい説明をすると、イーサリアムのERC-721というブロックチェーンの仕組みを使っており、トークンに対して「deedID」という256ビットからなる識別子を付与することができる。そしてdeedIDに所有者情報などのメタデータが付与できるというワケだ。
ただ、デジタル・アートそのものをコピーできなくするワケではないので、インターネット上に無数のコピーデータが流出する可能性はある。NFTは、あくまでも「ネットではコピーが流出してますがオリジナルデータは間違いなくコレで所有者はあなたです」と、所有権の証明書のようなものとして機能する。
NFTは現在デジタルアート以外にも、ゲーム内で生成されるゲームアイテムや、アパレルブランドの商品証明書などにも活用されている。