仮想通貨、デジタルアート界隈で話題の『NFT(Non-fungible token)』とは

NFTとは?

今年2021年に入ってからアートとビジネス界隈で急速に盛り上りを見せるNFT(Non-fungible token)とは、ブロックチェーン上に発行されるトークン(仮想通貨)の一種で、デジタルアートに様々なメタデータを付加させることができることが特徴だ。

ブロックチェーンは改ざんや不正ができない技術として有名だが、この特性に加えて「製作者」「制作日時」「識別番号」「所有者」などの様々なメタデータを加えることにより、デジタルデータのオリジナル証明ができるようになった。

技術面でさらに細かい説明をすると、イーサリアムのERC-721というブロックチェーンの仕組みを使っており、トークンに対して「deedID」という256ビットからなる識別子を付与することができる。そしてdeedIDに所有者情報などのメタデータが付与できるというワケだ。

ただ、デジタル・アートそのものをコピーできなくするワケではないので、インターネット上に無数のコピーデータが流出する可能性はある。NFTは、あくまでも「ネットではコピーが流出してますがオリジナルデータは間違いなくコレで所有者はあなたです」と、所有権の証明書のようなものとして機能する。

このNFTを利用したデジタルアートの売買は2021年に入ったころから急激に注目を集め、2021年3月11日にはBeeple(ビープル)と呼ばれるアーティストのデジタルアート作品がNFTオークションで約6935万ドル(約75億円)で落札されたり、実業家のイーロン・マスクが作曲した楽曲が1億円で落札され話題を呼んだ。

また、現在デジタルアート以外にも、ゲーム内で生成されるゲームアイテムや、アパレルブランドの商品証明書などにも活用されている。