本レビューはネタバレを含みます。ご注意ください。
概要
『オレが私になるまで』は、「ニコニコ漫画」「pixiv」「コミックウォーカー」などの無料で読める漫画アプリで掲載され話題を呼んでいるTSF(性転換)ものの漫画で、元々は著者の佐藤はつき氏が自身のTwitterにて公開したのが始まりなんだとか。
簡単にこのマンガを説明すると「女の子に優しくない男子小学生が、突然女の子になってしまい、そのまま成長していく」というあらすじで、男性から女性へ、子供から大人へと変わる様子をリアルに描いた「変化と成長の物語」です。
みどころ
この漫画の面白いところは、主人公を含めた登場人物のリアルな心情とその心情の変化、そして主人公が元々クソガキ男子なのにクソ可愛い女の子になるところにあります。
小学2年生から始まり、現在(2019/9/11)23話は中学生になりたてで、交友関係がグッと広まり、その影響が大きく出てきている場面。
特に女子コミュニティのリアルさが半端なく丁寧に描かれていて「あー中学生女子ってこんなだったわ」と男性でも頷ける内容がたくさん出てきます。
精神的にも未熟で、視野も狭い年頃の人間達が織りなす「しょうもない事」が中心に話は進んでいくのですが、物語は決してしょうもなくありません。子供が体験する些細な問題を本質的に掘り下げて、人間の本質的な部分にフォーカスするのがとても上手く、とても考えさせられます。
「自分が同じ立場ならこうする。自分がアキラの友人だったらこうしたい。」と、今後の人生にも応用できそうな経験を、この漫画は与えてくれるのです。
ベクトルは少し違いますが雰囲気は「聲の形」に似ていると思います。成長物語が好きな人にはぜひ読んで欲しい作品。
今後の展開
「高校生になるまでの物語」ってことですが、最初から現在まで、伏線らしき場面が凄いたくさん出てきているので、うまく絡み合えば「聲の形」を超えるほどめちゃくちゃ壮大な物語になる可能性を秘めていると感じています。
今後の展開がとても楽しみです。
オレが私になるまで