アンダーグラウンドの意味
アンダーグラウンド(Underground)/略語:アングラ
- 商業性がなく、思想や欲望によって形作られた活動や文化。またはそれらを連想させる場所や作品。アーティストや学者、快楽主義者が多い。
(グラフィティ、ラップバトル、ディープダブステップなど) - 水面下で密かに活動している組織や運動。革命家や反社会組織など、過激な人達が多い。
(レジスタンス、ダークウェブ、ハッカー集団、ギャングなど) - 裏社会をテーマに描いた漫画や映画などの作品。
(闇金ウシジマくん、殺し屋イチ、のぞき屋など) - サブカルチャーから発生した活動や文化、場所。
アンダーグラウンド誕生の歴史
『Underground(アンダーグラウンド)』は元々「地下鉄」という意味で使われていたが、第二次世界大戦中(1939年〜1945年)に発生したレジスタンス運動(反政府/反対運動)などの総称として使われたことに始まっています。
「Underground(地下)」という言葉は、反政府レジスタンスなどの地下に潜るような「隠密活動」を指したり、アメリカにいるアフリカ人奴隷や戦争捕虜が逃げ道として地下鉄を使ったことから使用されたとされます。
芸術や音楽方面の文化に使われはじめたのは、1957年に芸術評論家のManny Farber(マニー・ファーバー)が、アメリカの映画雑誌『Film Culture』において、犯罪映画やギャング映画の総称として「Underground films」と名付けたことがきっかけとされており、以降、ビート・ジェネレーション、ディスコ、ヒップホップ、テクノなどの様々な芸術文化に対して使われるようになりました。
日本でも1960年周辺に広まり、見世物小屋的要素を取り込んだ「アングラ演劇」や、日本独自の前衛舞踊である「暗黒舞踏」などがアンダーグラウンド・カルチャーとして取り上げられました。
サブカルとアングラの違い
アンダーグラウンドは主にサブカルチャーとは親子関係となる。例えば、サブカルチャーの1つであるゲイ文化はディスコやハウスといったアンダーグランドカルチャーを生み出しました。サブカルチャーについてはこちらの記事を参考。
音楽シーンのアンダーグラウンド
アンダーグラウンド・カルチャーは、大衆文化の発展に欠かせない要素となっています。
サブカルチャーから誕生するアンダーグラウンドは芸術面に特化しており、アンダーグラウンドで活動するアーティストらの多くは商業性を求めず、独創的で革新的な作品を作る傾向にあります。
しかし、アンダーグラウンドから発生した芸術性の高いものが、時には絶大な人気を得る場合があります。特に音楽のシーンでは、これまで流行ってきた音楽ジャンルのほとんどがアンダーグラウンドから発生しています。ヒップホップ、トラップ、ダブステップ、ロック、EDM、どれもアンダーグラウンドが発祥です。
アンダーグラウンドで活動するアーティストは、一部の人にしか理解できない独自性の高い作品を作るので、商業性を重視したポップアーティストがこれらを一般大衆に理解できるように手を加えたものが流行ります。
ヒップホップが生まれた当初は「ビート」が主体でラップはありませんでしたが、世界で爆発的に流行ったのは「ラップ」を音楽の主体にしたから。ダブステップが流行ったのは「メロディー」をつけて激しくしたからです。
このようにアンダーグラウンド・カルチャーとメイン・カルチャーは密接につながっており、とても重要な役割を果たしていることが分かります。
非合法なアンダーグラウンド
現在だとギャングや反政府レジスタンスといった組織が非合法の商業や運動をアンダーグラウンドで展開しています。
活動としてはダークウェブでの薬物販売や人身売買といった凶悪犯罪から、「アラブの春」などの独裁政権からの民主化運動(革命運動)に至るまで、非合法といっても活動は様々です。
革命の場合は非合法な活動になりますが、成功すると国や民衆にとって良い影響を及ぼす場合があるので、一概に「非合法だから悪」とは言えません。
「アングラ」の使用例
「ミニマルダブて…めちゃくちゃアングラな音楽聴いてるやん」
「寂れきった商店街!アングラ感たっぷりで良いねぇ!」
「この漫画グロッ!これだからアングラな作品は…」
「そんなのアングラじゃない!ただ人気がないだけだよ!」
「〇〇ちゃんの母親ってなんかアングラ臭するよね」
[…] アンダーグランドに関してはこちらの記事をご参考ください。 […]