音楽の誕生の歴史、ドレミファソラシドの起源と始まり【徹底解説】

地球では人間だけが理解できると言われる『音楽』。その音楽はどのように誕生して、どのような道を辿ったのでしょうか?ここでは音楽の誕生の歴史・起源からドレミファソラシドの誕生までを追っていきたいと思います!!

記事をまとめると

・今だに音楽の起源は特定できていない
・一番初めに音楽が奏でられたのはアフリカ説
・人類最古の音楽ジャンルは、月の女神を歌った神歌
・音楽の記録がはっきり残っているのは4世紀ごろから
・5世紀には日本や中国などアジアの音楽も盛んになる
・「ドレミファソラシド」が出来たのは西暦1030年前後

世界最古の楽器

人類が音楽に目覚め、音楽を発見したのはいつ頃でしょうか。実は、いつ、どこで音楽が生まれたかは、生物学的にも歴史学的にも未だ明らかになっていません。でも、推測はある程度できていますので、それを話していきましょう。

この話をする前に、まずどこからを「人類・人間」とするかですが、ここでは約20万年前のアフリカで誕生した新人ホモ・サピエンス(現生人類)を人類・人間とみなして進行していきます

現在、認定されている最古の楽器は、ドイツの洞窟で発見された4万年前のハゲワシの骨やマンモスの牙から作られた笛です。通称「ホモ・サピエンスの笛」とも呼ばれていますが、その笛は吹くことが出来ないですし、楽譜なども無いので、どんな音楽を楽しんでいたのかは謎に包まれています。

ということで、音楽の起源として「人類が音楽を理解できるようになった始まりも、音楽を奏で始めた時期も分からないが、少なくとも4万年前にドイツで楽器が存在していた」としか言えないのが現状です。

人類が音楽を発見した時代と場所

唯一の現生人類であるホモ・サピエンスが登場したのは、自然人類学の「アフリカ単一起源説」によれば推測で20万年前〜30万年前のアフリカとされています。

この説は『全人類(ホモ・サピエンス)の祖先はアフリカで誕生し、その後3つのルートで世界中に伝播していった』、つまり、人類の祖先を辿れっていけば最終的に世界中の全員がアフリカ人に行き着くということです。

だとすれば、人類が一番初めに音楽を演奏したのはおよそ20万年前〜30万年前のアフリカである可能性があります。

参考動画

世界最古の歌

現在発見されている中で、世界で最も古い歌は、神を歌った「神歌(しんか)」です。

楽譜として残っているのは紀元前14世紀、およそ3,400年前のもので、シリアの古代都市ウガリットで粘土板として見つかっています。この楽譜はシュメール人が祭礼の時に、古代シリアの土俗神である月の女神Nikkalを讃える為に歌ったとされていて、楽譜には「ドレミ調に似た音階指定があり、どのように奏でるか」も描かれていますが、この時代にはまだドレミファソラシドの文化は確立されていません

楽譜を元に音楽学者が予測して再現した音源

この神歌は、後に誕生するキリスト教の『讃美歌・聖歌』の派生ジャンルとも言えるのではないでしょうか。

世界で最も古い音楽ジャンル

西暦300年〜400年に、キリスト教の神や聖人を讃える宗教歌「讃歌・讃美歌・聖歌(Hymn)」が誕生しました。

厳密にいうと聖歌と讃美歌は宗教派閥によって呼称が分かれますが、ここでは宗教派閥を一切無視した上で呼称を「聖歌」に統一します。

新約聖書によれば、キリストが死の前日に12人の弟子とともに祝った『最後の晩餐』の中でも歌を歌ったとされていますが、その頃の楽譜や音源は残っておらず、聖歌だったのかどうかも不明で、再現可能なものは3世紀末のパピルスに記された、『Oxyrhynchus hymn』という初期キリスト教の聖歌だそうです。ニコニコ動画に当時の楽譜を元に再現された音楽がアップされていましたので載せておきます。

はっきりと音楽文化の全貌が把握できる聖歌は4世紀に出来た『アンブロシオ聖歌』からだとされています。

これは西暦374年から397年まで、ミラノで大司教を務めた聖アンブロジオにちなんだ名前の単旋律で、砂漠で修業を行った修道僧たちが始めたそうです。

人類の音楽文化として記録されるようになったのはイエス・キリスト以後、つまりは西暦が始まってから。アジアの音楽史に記録が残りはじめるのは5世紀あたりからになります。

日本の音楽史

およそ1万5,000年前の縄文時代

日本では約1万5,000年前の縄文時代に楽器として使用されたとみられる土製品や土鈴などが見つかっています。

西洋の音楽史は結構記録が残っているのですが、アジア圏やアフリカ圏の音楽史は西洋音楽に比べて記録は多くありません。

西暦401年〜700年
日本に外来音楽が持ち込まれる

5世紀以前、元々「和楽」と呼ばれる日本古来の音楽があったそうですが、5〜7世紀に中国や北朝鮮、タイやベトナム、インドの音楽が日本に持ち込まれ、和楽は縮小し、中国の唐楽を中心とした外来音楽が主流となったようです。

こうしてアジア圏の音楽が日本で独自に発展して「雅楽(ががく)」という音楽ジャンルが誕生しました。この雅楽は世界最古のオーケストラと言われています。

ドレミファソラシドの誕生

およそ西暦1030年
記譜法が考案、確立される

およそ西暦1030年前後に、ローマのカトリック教徒であった『グイード・ダレッツォ』がグレゴリオ聖歌を覚えようとしたが、なかなか覚えられなかったため、聖歌を短期間で覚えられる方法として記譜法(ドレミファソラシド)を考案したとされています。

聖歌に始まり、この記譜法がメロディや和音の基礎となり、現代音楽の要として活きているワケですから、音楽史における「宗教」の影響というのがどれほど大きかったかということが分かりますね。

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